適性検査ASKは16の座標軸からなるグラフでその人の資質を明示します。
ここでは、適性検査ASKを利用する際に覚えていただきたい6つのことを解説します。

1.適性検査ASKのグラフ波形に良い・悪いはない。

適性検査ASKの大きな特徴である16の座標軸を持つチャートグラフ。どんなグラフが一番良いのか?との質問を良く頂きます。
適性検査ASKの波形に良い・悪いはありません。あるのは、向き・不向きです。
例えば、飛びこみ営業という仕事を考えてみましょう。断られることや、相手にされないこともある飛び込み営業という仕事は、フットワークの軽さのみならず、良い意味でも鈍感さが必要な仕事と言えます。
断られたことをいつまでも引きずる時間があるなら、次の顧客のもとへ行くべきでしょう。
細かいことを気にする繊細な人物には向きません。“まあいいか”、“次があるさ”と考える人物が好成績を残すことは想像に難くありません。

では、経理やプログラマーの仕事を考えてみましょう。
こちらは、ミスが許されない仕事です。したがって“まあいいか”、“次があるさ”と考える人物という人物には不向きな職種であると言えます。

適性検査は多くの場合、企業がその人物を判断するために利用されます。
つまり、会社に向いた人、その職種に向いた人というフィルターをかけることになります。
会社に向いた人が家庭に向いているとは限りません。
仕事のできる人が、仕事以外も同じようにできるとは限らないのです。

ASKには複数のグラフがありますが、その中心となるのがこのbalanceP及びbalanceNと名付けられたグラフ。それぞれ、16座標軸を持ちます。PはpositiveのP、NはnegativeのN。
グラフの波形は同じですが、座標軸が変わっている点に注目してください。balancePで一番上の座標軸N:協調性はbalanceNでは警戒心欠如
協調性の座標軸ポイントが高い人は、警戒心欠如のポイントも高いことを示しています。

どこに視点を置いて適性検査ASKのグラフを見るかで導き出される答えは変わってきます。完璧な人格が存在しないのと同じで、完璧な波形があるわけではありません。

2.適性検査ASKの波形はまずグラフの位置に注目する。

適性検査ASKのグラフはどちらかに片寄るように作られています。
正円が良い波形であるという訳ではありません。

まず、ASKのグラフを4つに分けて、左上、左下、右上、右下のどの部分にグラフが片寄っているか確認してください。同一人物においてこの位置が経年により大きく変わることはありません。
例えば、先述の飛び込み営業向きの人物はのグラフは左上の比重が重くなるでしょうし、経理やプログラマーは反対に右下の比重が重くなるでしょう。
グラフがどこに傾いているかで、大まかな資質判断が可能です。

各座標軸のポイントの高低に目が行きがちですが、まず注目すべきはグラフの位置になります。

波形の位置は変わるのか?
という質問を良く頂きます。基本的に波形が左上の人が3年後右下の波形に変わった、というようなことはありません。もっともメンタル不調に陥ったり、大きなショックを受けた時など変化しやすい座標軸は、W:積極性SE:固執性(持久性)です。仕事への意欲が減少すると、W:積極性のポイントが低くなり、メンタル面が不調になると、SE:固執性(持久性)のポイントが大きくなります。

3.ピンクのラインに注目する。

グラフの大雑把な位置を確認したら次に行うのは、ピンクのラインに到達している座標軸を探します。
ASKのグラフは16の座標軸を持ち、それぞれに0~10のポイントが与えらえています。
2ポイント及び9ポイントがピンクのラインとなります。

どの座標軸が2ポイント以下なのか、どの座標軸が9ポイント以上なのかに注目してください。
隣り合った座標軸はそれぞれ関連しあっており、通常は隣の座標軸とのポイント差はそれほど大きくありません。仮に大きな差がある場合はその低い方の座標軸がその人の弱点となります。

例えば、左の波形の場合、グラフの位置は左上、外側のピングのラインを超えているのは、

N:協調性NW:創造性WSW:活動性

一方、
内側のピンクのラインに中にある座標軸は、ESE:規律性SE:固執性(持久性)となっています。

ではこのグラフの人物の資質を分析してみましょう。
まず、グラフの位置は左上という事実から、外交的な人物であることが分かります。N:協調性が高く、WSW:活動性も高いことから面接での印象はかなり良いと思われます。NW:創造性が高い反面、ESE:規律性が低いことから自分なりの考えで物事を進めていきたいという気持ちが強い人物でしょう。
そして、SE:固執性(持久性)が低いことから、プレッシャーに強く楽観的な心理状態であると判断できます。

4.ASKの波形から行動を予測する

現在、多くの企業で様々な適性検査が活用されています。
しかしながら、採用時に使ったきりで追跡調査されていないケースがほとんどの様です。

適性検査は多くのポテンシャルを秘めています。ここでは前述の波形を例に取り、外交的で面接での評価も高く、ストレスの無い自分なりの考えで物事を進めていきたい人物がどのような行動を取るのか、考察していきたいと思います。

陽の光がまぶしかった場合、我々は目を閉じたり手で目を覆ったりします。
この場合、陽の光が刺激であり、眼を閉じたり手で覆うことが反応(行動)となります。
刺激の受け止め方は人によって異なります。

叱られてもけろっとしている人が居るかと思うと、落ち込む人もいます。
同じ刺激でも人によって反応は様々です。


では、上記の波形からこの人物の行動を予測してみましょう。
SE:固執性(持久性)が低いことから、プレッシャーには強いのですが、WSW:活動性に比べW:積極性が低く、W:積極性に弱点があることが分かります。W:積極性は仕事への意欲を表す座標軸であり、攻撃性の強弱をも表す座標軸です。

W:積極性が低いということは、厳しい業務・残業等を好まず、競争や人を叱ることも不得手な人物であると判断できます。つまり人当たりは良いのですが歩合営業や、人と競う仕事にはあまり適性がありません。それはN:協調性の座標軸ポイントが高いことからも判断できます。

採用シーンにおいてN:協調性が高い人が望まれるケースが多いのですが、N:協調性が高ければ必ずしも良いという訳ではないことがご理解いただけるかと思います。

この波形の人物は明るく開放的であるため、面接での評価は非常に高いが、残業や競争が激しい職場の場合はすぐにリタイアすることが予想されます。逆に華やかかつ、競争のない職場の場合は長期勤務も可能です。

もっとも簡単な採用方法はハイパフォーマーと似た波形の人物を採用すること


似た波形の人物は、思考、行動が似ています。ハイパフォーマーの波形と似た波形の人物を採用することが最も効率的な採用方法と言えます。
※ハイパフォーマーの抽出にはASKの機能の一つである近似値検索が有効です。

5.適性検査の使い方はダメな人材を見つけるツールからキャリアコンサルティング志向へシフト

すぐ辞めてしまう人を見抜きたい、メンタル面の弱い人を事前に見つけたい。
確かに今もこのようなご要望は少なくありません。
また、ドタキャンやメンタル不調者を適性検査ASKが瞬時に見抜くことも事実です。

しかしながら、他人の悪いところばかりに注目していると、必然的に悪いところを見つけるスキルが上がります。
他人の良い点は目に入らず、弱点やアラを見つけることがうまくなり、気が付けば周囲は悪いところを持った人だらけ、ということになりかねません。長所は短所。欠点の無い人などいないのです。

人には相性があります。人と人、人と仕事、人と環境。我々は様々な人・モノから影響を受けています。
採用した人物が3日で辞めてしまった原因をその人にばかり求めていては、同じことの繰り返しにならないとも限りません。御社にとって良い人材とは、御社との相性が良い人にほかなりません。
既存社員の資質を認識せずに人を採用しようとすることはリスクが高いと言わざるを得ないのです。

適性検査は本来その人の適性を測定するツールです。悪いところをあぶりだすツールではないのです。
最近は適性検査ASKを使って、既存社員との相性を判断して採用・配置を行うケースが増えています。繰り返しになりますが、御社に合う人材こそが御社にとって良い人材なのです。
現在多くの適性検査は、人の欠点を見つけるツールから、その人の可能性、長所を見出すツールに進化しています。

6.非接触検査~ASK_Webについて

2021年現在適性検査ASKの最新バージョンは“5”。ASK_WebはそのASKver5の最も新しいオプション機能となります。
ASK_Webでは御社専用のASK検査サイトを構築。
セキュリティ面を考慮し、回答は瞬時にCSV形式で指定メールアドレスへ送信。検査結果はWebに残さないシステムとなります。もちろん検査サイトはPCのみならず、スマートフォンでの検査も可。
送信されたCSVを、ASKver5本体にインポートし分析・結果閲覧。リスク分析やキャリアガイドライン等のオプション機能も従来通り利用可。

ASK_Webの検査サイトに御社名や独自の検査名を表示る場合に限り適性検査ASKを使っての商用利用が可能となります。この際に懸念されるのが個人情報の問題かと思います。ASK_Webではサーバー上に個人情報を保管しません。個人情報の心配は無用ですが、それでもなおご心配される場合は、無記名での検査をお勧めします。
ASK_Webでは無記名での検査が可能です、
任意の番号を付与することで、個人が特定できるのであれば、必ずしも氏名等を入力する必要はありません。
(個人情報の修正・変更はCSV上、ASK上のどちらでも可能です)

多くの人材ビジネス会社やコンサルティングファームが適性検査ASKを使った適性検査サービスの提供を始めています。ASK_Webは、ASKの144問の回答(分析結果ではありません)を指定メールアドレス宛にCSVで送信する仕組み。各社、独自の検査名を付け、自社サービスとして適性検査を有償・無償で実施されています。